肩関節周辺の炎症が原因? 肩こりと四十肩の違いと見分け方
四十肩のことを、40代くらいの方に起こる肩こりの一種だと誤解している方がいます。
しかし、実は普通の肩こりと四十肩は原因から全く異なるので注意が必要です。
ここでは、肩こりと四十肩の違いと見分け方についてご説明していきます。
血行の悪さや筋肉の凝りが原因の「肩こり」
一般的に知られている肩こりの症状は、身体が冷えることによって血行が悪くなることや、筋肉の“凝り”が原因となって起こります。
肩こりは肩全体が重く感じたり、鈍い筋肉の痛みを感じるなどの自覚症状が特徴です。
また、肩こりが悪化すると頭痛などの症状が現われる場合があります。
肩こりの症状が気になる場合、血流を促すために身体を温めたり、肩に湿布を貼るなどして症状の緩和を目指します。
しかし、耐えられないほど痛むことはほとんどありません。
肩関節の周辺の炎症が原因の「四十肩」
肩こりは血行の悪化による筋肉の凝りが原因でしたが、四十肩は「肩関節周辺の炎症」が原因となって起こります。
肩関節は腕を広範囲に動かす時に大切な役割を果たす部分で、ほかの関節よりも構造が複雑です。
そのため、肩関節周辺は炎症が起こりやすいことが分かっています。
四十肩は、普通の肩こりと比較すると痛みが強いです。
ある日突然、ごく普通に腕を動かしただけで激痛が走ることもあります。
その痛みは、肩こりのような鈍い痛みではなく、まさに耐えられないほどの痛みです。
四十肩の場合、肩関節に異常が生じて、腕が上がらなくなるなどの症状が出ることがあります。
肩関節周囲炎という疾患のひとつなので、自己判断で症状の緩和を目指すのではなく、医療機関などで受診した後、適切な治療を受ける必要があります。
肩こりと四十肩の見分け方と共通点とは?
肩こりと四十肩の見分けるには、まず痛みをよく観察することです。
筋肉の凝りからくる鈍い痛みであれば、普通の肩こりの可能性がありますが、気になる症状がある場合には、専門医に相談してみると良いでしょう。
そして、激しい痛みが生じて、腕を思うように動かせないような場合には、四十肩の可能性があります。
肩こりと四十肩は症状が起こる原因にこそ違いがありますが、どちらも身体が冷えることによって症状が悪化するという共通点があるので、身体を温めて血流を促すことが大切です。
ただし四十肩の痛みが強い時期は、温めることによって痛みが強くなることもあります。
痛みがひどい場合は、ある程度症状が治まるまで様子を見て、落ち着いてから温めるようにしましょう。
一般的に、肩こりと四十肩は同じものだと誤解されることが多いようですが、症状の原因や痛みなどに大きな違いがあることを覚えておくと見分けやすいです。
腕を思うように動かせなかったり、肩こりより痛みが強い場合には、四十肩の可能性を疑ってみましょう。