その肩こりの原因は本当に「更年期」? 肩こりに併発する病気の特徴
女性は首や肩まわりの筋肉や骨格が華奢で、肩こりに悩まされるという人が多くいます。
そして40代以降になると、肩こりを「更年期」特有の症状だと思い、諦めてしまう人も多いようです。
確かに閉経後にホルモンのバランスが崩れると、いわゆる更年期障害と呼ばれるさまざまな心身の不調が起こります。肩こりもその1つです。
しかし肩こりには、さまざまな病気の可能性も隠れています。
今回は女性の肩こりと更年期の関係を説明しながら、妙齢の女性が勘違いしやすい、肩こりに併発する病気について紹介します。
更年期に肩こりが起きるメカニズム
更年期とは、一般的に閉経後の5年間を指します。更年期の症状として挙げられるものは、以下の通りです。
耳鳴り
めまい
のぼせ(ホット・ラッシュ)
多汗
不眠
肩こりや筋肉の痛み
イライラ
食欲不振
このような症状の大半は、生理の周期を作り出している女性ホルモンが減少し、身体の中のホルモンバランスが乱れることが原因で引き起こされます。
今回はこれら症状のうち、肩こりに注目しましょう。肩こりに影響を与えているのは、エストロゲンと呼ばれるホルモンです。
エストロゲンは女性の身体を妊娠しやすい状態にするという作用があります。
そして同時に、血のめぐりに大きな影響を与えているのです。
このエストロゲンの分泌量が低下すると、血液の循環が妨げられます。
筋肉に供給される酸素や栄養が不足してしまったり、筋肉の新陳代謝が低下して疲労物質の排出が出来なくなります。
そのため、女性の肩や首周りの筋肉は硬くなり、肩こりなどが起こりやすくなってしまうのです。
更年期に間違えやすい肩こりに併発する病気
肩こりは、日本人女性が更年期の不調としてもっとも訴える症状です。
しかし、この肩こりが必ずしも更年期によるものだとは言い切れません。
しつこく繰り返される肩こりや痛み、肩こりから引き起こされる頭痛や吐き気などの中には、次のような病気が隠れている可能性があります。
心筋梗塞・狭心症
胆石
胃炎
膵炎
甲状腺疾患
解離性大動脈瘤
頸椎椎間板ヘルニア
むちうち症・頸椎症
五十肩
慢性関節リウマチ
頸部腫瘍
鼻炎・副鼻腔炎
歯肉炎
顎関節症
片頭痛・緊張型頭痛
うつ病・心身症
特に注意が必要なのは、重篤な症状に進行しやすい心筋梗塞や狭心症です。
40代後半以降は加齢により、どうしても心臓や血管などの循環器系の機能が衰えてしまいます。
肩こりとその他の病気をまとめて対策!
肩こりの改善と、先ほど挙げた病気の対策は以下の方法でまとめて行えます。
40代を過ぎたら生活の見直しをして、以下のことに気をつけましょう。
睡眠時間を充分にとり規則正しい生活をする
食生活を見直して、食事は3食バランスよくとる
軽めの運動を習慣にする
お風呂は湯船にゆっくりと入って、身体を温める
全て、日常生活を見直すことで改善できることです。
病気の多くは日常生活の偏りによって引き起こされます。
まずはできることを挙げていき、1つずつ改善していきましょう。
また、肩こりをただの更年期特有の症状と軽く考えないことも大切です。
もしかしたら今回紹介したような、重い病気が原因かもしれません。
一度は病院を受診して、積極的に病気の発見・治療を心掛けていきましょう。