「病因性肩こり」と「普通の肩こり」を見分けるポイントとは?
仕事やプライベートなどでパソコンやスマートフォンを見る機会が多くなって、「肩こり」に悩まされている方は大勢いらっしゃるのではないでしょうか。
肩こりは血行不良や筋肉疲労などが原因として考えられがちですが、実は「病気」のサインである可能性もあります。
今回は「病因性肩こり」と「普通の肩こり」の違いについて紹介し、それぞれを見分けるポイントについてご紹介します。
「病因性肩こり」の可能性があるケースにはどんなものがあるか
・姿勢を変えても常に肩が凝っていると感じる
一般的に姿勢を改善して治る肩こりは筋肉疲労や血行不良が原因で、病気のサインではありません。
デスクワークをするときの座り方や睡眠時の姿勢を変えても肩が凝っている場合は、臓疾患など「病因性肩こり」の可能性があるため、医師の診察が必要となります。
・「肩こり以外」でも不調を感じる
例えば頭痛や背中の痛み、胸部の痛みや腹痛など「肩こり以外」でも不調を感じている場合は、その体調不良が肩こりを引き起こしている可能性があります。
先ほど挙げた内容に心当たりがあり、肩こりがなかなか改善せずさらに悪化していく……と感じている方は、「肩こりの対処法」ではなく「体調不良の改善」という視点で考える必要があるでしょう。
・「しびれ」を感じる
肩こりだけでなく腕にしびれを感じる場合、頚椎症性脊髄症などの病気の可能性があります。
腕がしびれる場合は神経に影響をきたしているケースも考えられるため、なるべく早めに医師の診断を受けましょう。
「普通の肩こり」だった場合、どのようなケアをすればいい?
前述した項目に心当たりがある方は、医師の診察を早急に行うことが大切ですが、そうでない場合は「肩こりのタイプ」を正しく把握してしっかりとケアを行っていく必要があります。
・【ケース1】長時間下を向いている方(スマートフォン・パソコンなどの作業時間が長い方)
このタイプは、肩こり解消にもなるストレッチで見分けることができます。
まず両腕を体の前でピッタリと合わせ、肘から先を90度曲げます。
次にその腕を上に持ち上げます。
この時肘がつかなかったり、肘が顎まで上がらなかった場合がこのケースに該当します。
下を向いている時間が長い方は、自然と肩甲骨が外側に開いていっていることがあり、肩こりがひどい場合このストレッチができないという方も多いようです。
その場合は、肘を着けずに腕を前に出し、左右の肘を肩の高さで曲げ、腕ごとゆっくり上下させるストレッチを行います。
この運動を5、6回1セットとし、朝昼晩行うことで肩こり解消につながります。
・【ケース2】肩甲骨のバランスが悪い方
カバンをいつも片方の肩にかけたり、同じ方の足なかり組む癖がある方は、背中や肩の左右のどちらかが凝ってしまうことがあります。
心当たりのある方は、タオルを使ったストレッチを試してみましょう。
まずタオルを胸の高さで肩幅に開いて持ち、床と平行に保ちながら上半身を左右にひねりましょう。
そしてその状態から「バンザイ」をするようにタオルを真上にあげるようにします。
これを3回1セットとして朝昼晩行うようにしましょう。
ケースに合わせたストレッチが大切
肩こりが気になった場合は、まずはその肩こりが病気のサインであるかどうかを判断し、病気の可能性が高い場合は早急に医師の診察を受ける必要があります。
その一方で、今回挙げた病気のケースに心当たりがない場合は、セルフケアを意識することで肩こりの改善につながる可能性があります。
まずはご自身の肩こりの状況を確認しつつ、医師の診察を受けるべきか、自分で治していくのかを考えていくことが大切です。