日本人に多い腰痛。痛み方にも種類がある?
日本の国民病とも言われる腰痛。
一口に「腰痛」といってもには痛み方や原因はさまざまあります。
自宅で湿布を張っているだけでは、状況は改善されないかもしれません。
ここでは腰痛の痛み方の種類と原因をご紹介します。
なぜ腰が痛む?
腰痛のきっかけとなるのが、姿勢の悪さです。悪い姿勢が続くと腰への負担が蓄積されるようになり、椎間板が変形したり背骨のS字カーブが崩れてきてしまいます。
背筋が曲がると腰の負担を吸収する機能が低下するため、腰椎に負荷が加わります。
すると、椎間板や筋肉、関節が損傷することで痛みを感じたり、骨や椎間板、じん帯が変形して神経を刺激することで痛みを感じるようになるのです。
腰痛の原因と痛み方
腰痛にはさまざまな原因と症状があります。次に代表的な病名と痛み方の特徴をご紹介します。
≪加齢が原因による腰痛≫
病名:変形性脊椎症
原因:椎間板に含まれている水分が減って、弾力を失ってしまい脊椎が変形します。
変形した脊椎は周囲の神経を刺激して痛みを引き起こします。
痛み方:腰まわりが強張り、鈍い痛みを伴います。
立ち上がるとき、寝返りを打つときに強い痛みを感じ、徐々に痛みが引いていきます。
病名:脊椎骨粗しょう症
原因:骨の中身がスカスカの状態になるので、弱い衝撃でも骨折しやすくなります。
痛み方:腰から背中と広い範囲で痛みを感じます。
痛みは取れにくく持続するのが特徴です。
病名:椎間関節症
原因:腰椎にある関節が炎症して痛みを感じます。
痛み方:朝起きたときに立ち上がれないほどの強い痛みを感じます。
起き上がってしばらく動くと痛みが引いていきます。
≪脊椎に原因がある腰痛≫
病名:脊椎分離症
原因:椎弓と呼ばれる椎骨の後ろ側にある突起部分が骨折して、脊柱が不安定になることで痛みが生じます。
痛み方:腰に痛みを感じるだけでなく、脚にも痛みや痺れが生じます。
同じ姿勢を続けていると痛みが出てくるという特徴があります。
病名:脊柱すべり症
原因:背骨の一部の椎骨が腹部側にずれてしまい、神経を圧迫することで痛みを感じるようになります。
痛み方:脊椎分離症と同じく、腰と脚に痛みを感じ、脚には痺れを伴うことがあります。
病名:脊柱管狭窄症
原因:脊柱管の内側が狭くなってしまい、骨の中を通る神経や血管を圧迫してしまうことで痛みが生じます。
痛み方:歩いていると足の裏から腰にかけて痛みを感じ歩けなくなることがあります。
また、立ち上がって背筋を伸ばすときに痛みを感じるという特徴があります。
≪筋肉や神経に原因がある腰痛≫
病名:腰痛症
原因:関節まわりの筋肉や神経に負担がかかり、疲労や強い緊張によって痛みを感じます。
運動不足・肥満・ストレス・血行不良などの要因でこの状態になることが多いです
痛み方:前にかがんだり、体が冷える環境に長時間いると強い痛みがあらわれます。
中腰で物を持ち上げるときに起こる「ぎっくり腰」のことで、重い痛みが続き、慢性化することがあります。
≪椎間板に原因がある腰痛≫
病名:椎間板ヘルニア
原因:椎間板の内側にある髄核が外に飛び出て神経を圧迫してしまい、痛みを感じます。加齢による場合と、腰に過度の負荷がかかった場合で起こる2つのケースがよくみられます。
痛み方:腰から足の爪先にまで、痺れや痛みを感じるようになります。
まっすぐ立てなくなるほど痛みが深刻化することもあり、重症化すると排尿障害を引き起こします。
簡単に「腰痛」といってもその原因はさまざまで、痛み方も異なります。
今回ご紹介できたのもまだ一部にすぎません。腰に痛みを感じたら医師の診察を受けることが大切です。