重症化する前になんとかしたい! 変形性膝関節症の改善対策
年齢を重ねるにつれて膝が痛くなり、歩きにくくなるのを、「トシのせいだから……」なんてあきらめていませんか?
加齢や体重の増加によって起きる膝の痛みの大部分は、変形性膝関節症であるケースが多いです。
完治することは難しくても、適切なケアを受ければ症状の進行を遅らせて、普通の生活を送ることは十分にできます。
今回は50歳以降の女性に多い、変形性膝関節症の症状や原因やなりやすい人の特徴などについて解説しながら、痛みを改善・予防する対策についてご紹介していきます。
変形性膝関節症の原因と症状
変形性膝関節症とは、加齢やハードな運動で膝関節のクッションの役割を担っている軟骨がすり減ったことや、膝周りの筋力が低下したことで膝関節に過剰の負担がかかり、
関節部に炎症が起きたり、関節が変形してひどい痛みをもたらす病気です。
変形性膝関節症には、けがや病気などを原因とする二次性変形性膝関節症もありますが、大部分は、以下の原因が考えられます。
筋肉の衰え
肥満
無理な動作
50代以降の中高年に発症する人が多く、とりわけ筋力の弱い女性に発症者が多いという特徴があります。
変形性膝関節症の症状は個人差が大きく、膝関節の変形が進んでいても痛みはひどくないという人もいれば、痛みはひどいのに炎症や変形がそれほど顕著に現れない人もいて、症状は千差万別です。
一般的に変形性膝関節症の症状は、次の3つのステップで進行していきます。
1. 初期
朝起きて歩き出そうとしたときに普段とは違う違和感を覚えたり、軽い痛みを感じるが、少し休めば症状が治まる。
2. 中期
膝の違和感がはっきりとした痛みに変わり、膝が完全に曲がりきらない、伸びきらないために正座や階段の上り下りがつらくなったり、炎症のために膝の周辺が腫れ熱を帯びた状態になる。
3. 末期の症状
痛みがひどくなり日常生活に支障が出るだけでなく、一目で膝関節の変形がわかるようになる。
変形性膝関節症になりやすい人と改善・予防対策
変形性膝関節症は「トシのせい」とあきらめてしまうケースが多く、病院での治療が遅れる傾向があります。
しかし、末期には痛みのために外出もままならず、うつになってしまったり、認知症を発症するリスクも高いので見逃せない病気です。
とりわけ、次の特徴に当てはまる人は発症リスクが高いので、痛みがある場合は無理をせず、整形外科を受診して適切な治療をすすめていきましょう。
膝に負担のかかるスポーツ習慣がある
偏平足などの足部の変形がある
足に合わない靴を履いている
ハイヒールを日常的に履いている
残念ながら病院で治療を受けても摩耗した膝関節を元に戻すことはできず、変形性関節症を完治させることはできません。
ただし、薬物治療や温熱療法等で痛みの緩和はできますし、運動療法によって低下した膝周りの筋肉を鍛えて、症状を改善することはできます。
そこで、積極的に治療を受けるとともに次のように生活を見直して、変形性膝関節症を少しでも改善・予防していきましょう。
肥満を解消する
運動不足を解消する
足にあった靴を選ぶ
湯船につかって全身の血行を良くする
サポーターなどを活用して、膝を冷やさないように心がける
年齢を重ねても快適に生活するためには、普段の心がけが大切です。
今後の人生をより楽しく生きるためにも、膝を守っていきましょう!