「膝の痛みは放置しないで!」水が溜まる可能性も……!?
年齢を重ねると、体のさまざまなところに不具合が出てしまいます。
なかでも膝の痛みに悩む人は多いのですが、痛みが小さければ放っておく、という人も少なくありません。
しかし、このひざの痛みを我慢して放置してしまうと「膝に水が溜まる」という症状を引き起こしてしまうこともあるのです。
なぜ膝に水が溜まるのか、今回はその原因や治療法などについて紹介します。
水が溜まる理由は関節の炎症
スムーズな膝の動きを支えているのが、膝関節の構造です。
太もも部分の大腿骨(だいたいこつ)とふくらはぎ部分の脛骨(けいこつ)を支えている骨の間は、「関節液」という液体によって満たされています。
関節液は、関節を覆う滑膜(かつまく)や滑膜を覆う関節包、靭帯などにサポートされることで、膝をスムーズに動かすことができます。
しかし、軟骨がすり減ってしまったり関節の動きがスムーズではなくなると、滑膜部分が炎症を起こしてしまいます。
滑膜が炎症を起こす原因
炎症を引き起こす原因としては以下の理由が考えられます。
加齢
膝の酷使
スポーツや事故などによる衝撃
病気 など
滑膜が炎症を起こすと、関節液を必要以上に分泌しようと働いてしまうため、関節包内に異常な量の関節液が溜まってしまいます。
これが膝に水が溜まってしまっている状態で、「関節水腫」といいます。
治療法は?
膝に水が溜まってしまった場合、どのような治療法があるのでしょう。
関節の炎症がまだ深刻ではない場合、サポーターや包帯などで圧迫してあげるという対処法をとるのが一般的です。
ただ、膝に水が溜まってくると、痛みをやわらげるために注射で水を抜くこともあるでしょう。
また、場合によっては炎症を抑えたり痛みをやわらげるための投薬や、ヒアルロン酸やコラーゲンといった成分を膝に注射する方法をとることも。
痛みが強く症状が進んでいる場合は、痛みを起こしている骨を切り取るなどの手術が必要になることもあります。
治療法は症状によって異なるため、医師の診断に従うことが大切です。
加齢が原因ではありますが、適度な運動やストレッチをすることで水が溜まるのを予防することができます。
日頃からウォーキングやストレッチを行うようにしてください。
また、体を温めることもおすすめです。
たとえば、湯船に浸かって体を温めたり、栄養バランスの良い食事で血行促進に努めるようにしましょう。
膝に水が溜まってしまうと、痛みに耐えられないということも珍しくありません。
少しでも痛みを感じたら無理をせず、すぐに医療機関を受診するようにしてください。
症状が軽ければ治療も短期間で済みますし、これからの予防にも力を入れることができるでしょう。
普段から体を動かすことを意識して、加齢に負けない体づくりを行ってくださいね。